レーシック歴があっても白内障・緑内障手術は受けられます。検査・管理で注意しておきたい点を解説します。
結論として、レーシックを受けたことがあっても、将来の白内障手術・緑内障手術そのものが受けられなくなるわけではありません。ただし、角膜の形が変わっていることによって、検査データの読み取り方や眼圧測定の解釈に注意が必要になる場合があります。これは手術が「できない」という話ではなく、「正確に管理するために知っておくべき点がある」という話です。
白内障手術にどう影響しますか
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを入れます。このとき、目に合った眼内レンズの度数を決めるために、角膜のカーブ(角膜曲率)を測定して計算式に当てはめます。レーシック・レーゼックを受けた角膜は、通常の角膜とはカーブの変化のしかたが異なるため、一般的な計算式のままでは度数の誤差が生じやすいことが知られています。
このため、レーシック・レーゼックの手術歴がある方が将来白内障手術を受ける際は、術前・術後の角膜データ(手術時の記録)があると、眼内レンズの度数をより正確に計算しやすくなります。可能であれば、レーシックを受けた際の検査データや手術記録を保管しておくことをお勧めします。
緑内障の管理にどう影響しますか
緑内障の管理で重要な指標のひとつが眼圧です。眼圧測定の代表的な方法(角膜に触れて測定する方式など)は、角膜の厚みの影響を受けるため、レーシックで角膜を薄くした後は、実際の眼圧よりも低く測定されやすいことが知られています。そのため、レーシック歴がある方の眼圧を評価する際は、角膜の厚みを考慮した補正や、複数の指標(視神経の状態、視野検査など)を組み合わせた総合的な判断がより重要になります。
だからといって手術を避けるべきということですか
いいえ。上記はいずれも「手術ができなくなる」という話ではなく、「将来の検査・治療をより正確に行うために、事前の記録や定期検査が重要になる」という話です。レーシック・レーゼックを受けた方が特別に白内障や緑内障になりやすくなるという意味でもありません。
定期検査はどのくらいの頻度が目安ですか
緑内障については、特別な自覚症状がなくても満40歳以降は年1回の精密検査が推奨されています。近視が強い方、緑内障の家族歴がある方、糖尿病・高血圧などの持病がある方、眼圧が高め・過去に目の外傷歴がある方は、40歳未満でも6か月〜1年ごとの定期検査が望ましいとされています。健康診断で「緑内障の疑い」という所見が出た場合は、精密検査(OCT・眼底撮影・視野検査など)で確定診断を行ったうえで、6か月ごとの経過観察を行うのが一般的な流れです。
よくある質問
Q1)レーシックを受けると白内障になりやすくなりますか?
A1)レーシック自体が白内障の発症リスクを高めるという確立した根拠はありません。ただし将来白内障手術が必要になった際の眼内レンズ度数計算には、通常より注意が必要になります。
Q2)レーシック歴があると緑内障の診断が難しくなりますか?
A2)眼圧測定の数値が角膜の厚みの影響を受けるため、単純な眼圧の数値だけでなく、視神経の状態や視野検査を組み合わせた総合的な判断がより重要になります。
Q3)将来のために今からできることはありますか?
A3)レーシック・レーゼックを受けた際の検査データや手術記録を保管しておくと、将来別の医療機関で白内障手術などを検討する際に役立ちます。
Q4)緑内障の検査はどこで受けられますか?
A4)眼科での精密検査(眼圧・視神経・視野検査など)で確認できます。健康診断で指摘を受けた場合は、放置せず精密検査を受けることをお勧めします。
本記事は情報提供を目的としたコンテンツであり、特定の治療効果を保証するものではありません。記載内容は一般的な医学的知見に基づく情報であり、個々の状態への当てはめや治療方針の決定は、来院後の専門医による検査・診断を通じて行われます。